02 自分で巻く『ほととぎす漬』作り 藤枝四蔵の酒と"辛い漬物選手権"

藤枝おんぱくで復活した名物 を探る   (みちくさ探偵)

「みそのカラシやワサビをたっぷりと混ぜたものを、シソの葉で細長く巻いたとても辛い漬け物。 名前の由来は、昔この漬け物を食べた武士があまりの辛さに驚き、ホトトギスの悲痛な鳴き声を思い出したことに由来するとされている。お茶漬けにすると辛さが少しマイルドになり、程よくピリッとして美味しく頂ける。」 漬物辞典より
言い伝えでは
清水橋の近くに一軒のお茶漬け屋がありました。 この店で旅の侍がお茶漬けを注文したところ、それは辛いの何の、大の男から大粒の涙がこぼれるほどでした。 しかし、侍はこれが妙に気に入って、店の主人にその名を尋ねました。 ところが名前はないというので、しばらく侍は考えていましたが、「ほととぎす漬けと名付けるが良かろう」と言いました。 主人がそのいわれを尋ねると、 「木枯らしや 木枯らしの森の ほととぎす 聞くたびごとに 涙そぼるる」 という古い歌があって、お茶漬けのからしとほととぎすとがともに涙を誘うからだと答えました。 その評判は街道に広く知れ渡り、藤枝の名物になりました。
[gallery columns="2" size="medium" ids="6060,6059"] 涙を誘うほととぎすの鳴声とは如何なるものなのか気になります。 きっと「 クッー 」や 「 カッー 」に違いないはず。期待を込めて調べてみます。 https://youtu.be/JyEYApCY-dM あれ?おかしい。綺麗なさえずり。 そもそも ほととぎす は春 夏 に南から渡って本州辺りで暮らす鳥。 鳴声が辛さと結びついているわけではなさそうだ。 wiki先生の見解では 「ほととぎす」という鳥は、歌に詠まれたり伝説 逸話の多い鳥。 馴染みのところでは信長と秀吉と家康のやり取りが思い出されるし、 中国の故事や日本の古典、万葉集や古今和歌集にも100を超して詠まれている。 正岡子規も自身の名にほととぎすを表す「子規」をあてている。 [gallery columns="1" size="large" ids="6027"] あーなるほど ほととぎすとは人の感情や想いと深い関わりのある鳥なのだ。 この詠は府中(静岡)に伝わるもの。 藁科川の近くに木枯らしの森と呼ばれた場所があったのだとか。 季語の 木枯らし からするに季節は冬だ。 冬になっても南に旅立たず静岡の山間に残ったほととぎす。 旅人が木枯らしの森でほととぎすの鳴声をきけば、きっと哀愁に涙しただろう。 「ほととぎす漬」を名付けた侍も単なる辛さ(からさ)から語呂合わせたというより、自身の辛い(つらい)想いと相まったのかもしれない。などと思い描いてみたりしてみる。その方が自分にはしっくりくる。 [gallery size="medium" ids="6038,6040,6042"]
  鳴かぬのは 泣けないからではない ほととぎす 辛にひとたし 泪めの分け
  [gallery columns="2" size="medium" ids="6055,6059"] なぜだろう、皆さんの辛い表情も違って見えてきます。 [gallery columns="2" size="medium" ids="6046,6043,6032,6024"] ほととぎす漬は、藤枝四蔵の純米酒ならではの柔らかな甘みとの相性もよく、差し詰め ながく連れ添ったパートナーのような自然な振る舞いをする良縁マリアージュだと思います。つまりたんに辛さだけでなく旨味がある。 プログラムの、辛さ選手権の趣旨とはずれてはおりますが、ごくごく個人的な感想なので御了承くださいませ。選手権の詳細は [gallery columns="2" size="medium" ids="6057,6062"] それにしてもこの日は四蔵の酒で全国の多種多様な辛い自慢の漬物を楽しめたのは贅沢でした。 甘みと香りの強いプチルージュとモッツァレラ入りのゼリー寄せ酢味噌和えは刺激が残るの口内をリセットするにぴったり。 辛漬物をサラッと日本酒で流して、敏感になった舌の上で旬の魚の脂もいい仕事をしてます。ウマヅラハギの肝和えとミナミマグロと大ぶりの鯵の三点盛り。 椎茸と鹿肉のメンチはボリューミーで、最強辛さの漬物と張り合う力強さがある。 出始めの筍が練り物と繊細に炊かれておでんとなって刺激の後に優しい。なんと猪と鰹出汁。 [gallery columns="2" ids="6033,6037,6035,6056"] clickで大きく表示 写真のピントが微妙にズレているのは日本酒の美味さの表れ、完全なる酔客です大目にみて下さい。 参加のおひとりが提供してくれたキングオブ旬の新茶の天麩羅に会場盛り上がりました。 [gallery columns="2" size="medium" ids="6174,6029"] 〆の瀬戸谷の有精卵 卵かけ御飯の頃にはすっかり出来上がっておりました。 [gallery columns="2" ids="6025,6041"] 参加された皆さん  素材提供してくれた生産者さん、主催 チームほととぎすの皆さん。有意義な時間を共有できて楽しかったです。ありがとうございました。復活名物が拡がることを願って。 [gallery columns="1" size="large" ids="6023"]  ]]>